下北沢の話。(その3)
終電で帰宅し、いつものスーパーに寄ろうと
駅前を通りかかるとすごく身体の大きな黒人がなにやら大声で叫んでいた。
酔っているのかかなり陽気だ。
派手な服に派手なネックレス、両腕には厳つい墨が入っていて、なんというかガダラの豚に出てくる呪術師みたいだった。
下北っぽいなーと思いながら横を通り過ぎようとすると
その大男がこちらに寄ってきて手に持っている厚紙のようなものを見せてくる。
「FREE HUG」と書いてあった。
「ヘイ!ヘイ!プリーズ!」
やんわりと断ったのだが男はなかなかしつこい。
行く手を阻まれる。
「ヘイ!へーーイ!ヘーーーーイ!」
うわーマジか…と思っていると彼はこう続ける
「ワンセコンド!ワンセコンド!ワンセコンド!プリーズ!!」
瞬間俺は思った。
「え?一分もすんの?」
シモカワ
※結局その後しました。