末井昭さんの「自殺」の話。
ずっと気になっていた末井昭さんの「自殺」をやっとこさ読んだ。
数年前から死生観というものに結構興味があって、いや「死生」というより死に方に興味がある。だって誰にでも平等に訪れるものだからそこには何らかの美学があった方がステキじゃないですか。
「自殺」には自殺にまつわる色々な人が出てくる。自殺未遂をした人、大切な人を自殺で亡くした人、自殺を調査して考える人(自殺した人は取材できないから出てこない)
それを暗いテイストではなく、どちらかというと明るめなトーンでまとめているのだけど、この本に登場する人に共通しているのはみんなパワフルだってこと。
強い己のベクトルがなんらかのはずみでそっちの方向に向いてしまっただけなのかもしれない。彼らは自殺と向き合うという生き方を選んだのだなと思った。不謹慎な感想かもしれませんが。
そして読み進めていくうちになによりも作者の末井昭という人間にすごく興味が沸いた。
末井さんは善人ではないと思う。
でもこの人はすごくすごく優しい人なんだなと思った。
オレはこういう人が書く文章がとても好きです。
居酒屋海峡で280円の特大からあげを久しぶりに食べたんだけど全然食べ切れなかった。しこたま飲酒してジャンクな物を食べて…もしかしたらオレも”緩慢な自殺”をしているのかもしれない。
シモカワ